上島通信

KAMIJIMA 

上島通信 第23号

“京都、五山の送り火”

老いたせいか、無性に腹が立った。 
東日本大震災の津波で倒れた岩手県陸前高田市の「高田松原」の松で作った薪を 
「京都五山の送り火」で燃やす計画が中止になった件である。 
 
奉納された薪には、犠牲者の名前や復興への願いを被災者の方々に書き込んでもらっていたとのこと・・・ 
それを事もあろうに大文字保存会は拒否したのである! 
五山の送り火はただの観光客集めの行事なのか。 
大文字保存協会に問いたい!! 
“送り火”とは何か。本来、死者の霊を弔い、鎮魂を願う行事であろう。 
 
先々号に書いた復興大臣の無神経な発言よりまだひどい話である。 
放射能は大変な問題ではありますが、断る前に被災者の方々に丁重に検査結果を報告し謝罪すべきであった。 
“日本はひとつ”とか“皆が一緒”などと綺麗事を言う前に“労わる”気持ちが大切である。 
 
つまり、この事件は「よその火事と喧嘩は大きいほどおもしろい」という昔のことわざと同じである。 
今の世の中、労わる気持ちや義理人情など、古来、日本国民の美しき文化を少しずつ無くしてきている。 
先代加納が生きていたら、多分、保存会に抗議したであろう。 
 
我々上島農林一同は、皆様から頂いた御恩そして義理を決して忘れずに物件提供に努めます! 
 
ところで、先月号で特別便会員募集再開のお知らせをさせて頂いたところ 
早速お申込み頂き心より感謝申し上げます。 
今後一層、新しい古民家を探索致し、御送付させて頂きます! 
 
異端ジジイ 
 

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